- SEの仕事って将来なくなるのかなぁ?
- 仮にSEの仕事がなくなるなら今から何をしておけばいいだろう?
技術の革新が進んでいる世界で様々な職業がAIに代わられると言われており、SEの仕事も対象になるのでは?と気にされている方もいるかと思います。
一時期「SE不要論」という本も話題になっていましたし、堀江貴文さんの「僕たちはもう働かなくていい」という本でも今後の働き方について触れられています。
少し前のソースですが、2014年にオックスフォード大学が702業種を徹底調査して「あと10年でなくなる仕事」として下記のようなものが挙げられています。
参考
- 銀行の融資担当者
- スポーツの審判
- 不動産ブローカー
- レストランの案内係
- 保険の審査担当者
- 動物のブリーダー
- 電話オペレーター
- 給与・福利厚生担当者
- レジ係
- 娯楽施設の案内係
- 娯楽施設のチケットもぎり係
- カジノのディーラー
- ネイリスト
- 集金人
- パラリーガル
- 弁護士助手
- ホテルの受付係
- 電話販売員
- 仕立屋
- 時計修理工
- 税務申告者代行者
- 図書館員の補助員
- データ入力作業員
- 彫刻師
- 苦情の処理・調査担当者
- 簿記・会計・監査の事務員
- 映写技師
上記を見るとSEは入っていないので安心だ…と思う方もいるかと思います。
ただ、AI研究者に聞いた話やSE9年やった経験からも言えることとして、SEの仕事の半分くらいは将来なくなります。
というわけでこんにちは。本記事はSE歴9年のミツキが解説します。
僕は現在フリーランスのWebマーケターをやっていてそれなりにマーケットを読む力もあるので、それを踏まえて見ていきます。
半分というのはざっくりとした感じですが、そもそもSEの仕事は多岐にわたります。
※詳細は、SEの仕事内容を具体例交えてわかりやすく解説を参照
一部の仕事は残って一部の仕事はなくなるという感じなので、具体的にどういうことなのか見ていきましょう。
【闇】SEの仕事が将来半分くらいなくなる理由
SEの仕事が将来半分くらいなくなるというと暗い気持ちになってしまう方もいるかと思います。
なので、SEの仕事が半分なくなるという闇の部分と半分は残るという明るい部分について見ていきます。
まずは闇の部分である、SEの仕事が半分なくなる理由について2つの観点で見ていきましょう。
1.AIの発達により仕事をとられてしまう(AI研究者に聞いた話)
冒頭でも書いている通りですが、SEに限らず多くの仕事がコンピューター・機械によって取って代わってしまいます。
イメージがつかない方のためにわかりやすい例を挙げると下記の通りです。
参考
電車の自動改札
もともとは駅員さんが一枚ずつきっぷをチェックしてきっぷを切っていました。
今となってはきっぷを切ってる駅なんて地方の一部を除くとほとんどありませんよね?
※僕の産まれた田舎はまだ駅員さんがチェックしてくれてますが…笑
SEの仕事に関しても、自動改札のように便利なものが出てくるとなくなってしまう可能性があります。
わかりやすいものとしては、上記でオックスフォード大学の調査によるもので「電話オペレーター」がなくなるとありました。
それでは、SEの運用保守の仕事ではどうでしょうか?
僕が3年間やっていたパッケージ製品の運用保守では下記のような仕事がありました。
- システムに何かしらの不具合があったらアラートがあがる
- そのアラートを子会社のSEが受けて一通りの稼働を確認、エラーコードによっては運用保守をしている僕たちSEに連絡
- エラーの内容を確認して、既知のエラーであればマニュアルに従って対応
上記のような一連の流れであれば、基本的には将来的に自動化しても問題ないと言えますね。
つまりはAIによる自動化によって一部の仕事がなくなってしまうことになります。
もう一つわかりやすい例でいうとAmazonの工場ですね。
以前公開されていたAmazonの工場の動画には、ほとんど人が映っていません…。
SEは手に職と思う方もいるかと思いますが、もうすでに一部の仕事はAIによって自動化されており、人員が必要なくなってくるという現場も出てきています。
2018年終わり頃、AIに関するセミナーに行った際にAI研究者に聞いた話では、今ある仕事のほとんどがAIによってなくなってしまうということでした。
2.外国人採用の増加により日本人SEの仕事が減る
またSEの仕事が将来なくなる2つ目の要因として、外国人採用の増加があります。
新型コロナウイルスの影響で国の往来が難しくなってはいますが、日本で働く外国人の方は年々増えてきています。
参考
引用元:厚生労働省
全体的に外国人労働者が増加傾向にありますし、SEにあたるであろう「専門的・技術的分野の在留資格」の部分についても増加傾向にあります。
特に中国人やベトナム人が増えてきているようですね。
実際、僕の最初いた会社でも外国人採用をしており、同期に5人くらい中国人の方がいました。(全体は40人ほど)
そして、ちょっと偏見かもしれないですが、外国人の方って日本人よりも勤勉な方が多いんですよね…。
多少日本語がおぼつかなくても技術力でカバーできてしまうという感じで、やる気のない日本人はすぐに外国人に役職を抜かれてしまいます。
ちなみに僕の最初の会社の同期も、中国出身の方が一番早く出世してました…!
少し補足すると企業にとって外国人雇用の良いところは賃金の面ですよね。
日本人を雇うよりも安く雇うことができて、最低限の仕事ができるなら別に日本人よりも安く済む手段を取る企業は多いです。
新型コロナウイルスが落ち着くか、ウィズコロナで生活するようになれば益々外国人雇用が増えていくので、日本人の仕事は取られていってしまいますね。
【明】SEの仕事が半分なくなっても残る仕事がある
ここまではSEにとっては、結構暗い話をしてきました。
続いて明るい話として、SEの仕事でもどのような仕事が残るのかについて見てきましょう。
1.上流工程の仕事
まず一つ目は上流工程の仕事です。
SEの仕事はざっくりと下記5つの仕事に分かれます。
ポイント
- 要件定義
- 基本定義
- 詳細設計
- テスト
- 運用保守
上記の要件定義~詳細設計までが上流工程、テスト・運用保守は下流工程になります。
既に解説をした通りで下流工程の仕事はAIに取って代わる可能性がありますが、クライアントと要件をすり合わせたり細かい部分の調整をする上流工程の仕事は残ります。
ただし、上流工程の仕事に関してはある程度下流工程の仕事を経験しないとやらせてもらえない会社が多いというのがあります。
2.AIを管理する仕事
残る仕事の2つ目としてあるのは、AIを管理する仕事です。
どんなにAIが発達して色々な仕事がAIに置き換わったとしても、AIを管理するのは人の仕事になります。
プログラミング言語のPythonを駆使していく必要がありますが、AIエンジニアになろうとプログラミングスクールを受講する方が増えているという話を聞いています。
参考
数多くのコースがあるテックアカデミーで人気のコースを聞いたところ、答えの一つにPythonがありました(下記参照)
こちらもCHECK
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テックアカデミーの無料体験を現役エンジニアが受講してわかったこと
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以上の通り、SEとして確実に生き残りたいのであれば、上流工程の仕事をするかAIエンジニアになることをおすすめします。
それでは、続いて生き残るために大事なことについて3つの観点で解説をしていきます。
SEの仕事がなくなっても生き残るために大事なこと
SEの仕事が将来半分なくなったとしても、生き残るために重要なことは3つあります。
ポイント
- キャリアをしっかりと考えておくこと
- AIエンジニアになること
- 上流工程の仕事を一人前にできるようにすること
それぞれについて解説をしていきますが、大前提として次の意欲が大事になってきます。
ポイント
- 新しいことを学び続ける姿勢がある方
- 仕事に意欲的な方
- 対人関係を磨き続ける方
この3点のみです。別に難しいことではないですよね?
もし上記が難しいと思うようであればそもそもIT業界で働くのは難しいと思います。
なので、別の業界へ転職するか、同じ業界でもSE以外の営業や管理部などへ部署異動した方がいいでしょう。
とは言いつつも、いずれもどの業界においても上に登っていくためには必要な要素になります。
1.キャリアをしっかりと考えておくこと
SEとして生き残るために大事なことの一つ目はキャリアをしっかりと考えておくことです。
生き残れるSEの特徴として次の二つをあげました。
ポイント
- 上流工程の仕事を携わる
- AIエンジニアになる
上流工程の仕事に関しては、しっかりと下流の仕事も経験しないと難しいということで「AIエンジニアになるのが手っ取り早そう!」と思う方もいるかと思います。
間違いではないのですが、その後のキャリアプランをしっかり考えないとエンジニアとして僕のように市場価値の低い人間になりかねません(自虐)
僕はキャリアプランをそれほど考えずにSEの仕事を続けた結果、フリーランスになっても30歳で月収56万円と微妙な収入しか稼ぐことができませんでした。
※フリーランスエンジニアは月収70万円くらいいける世界です…。
なので、なんとなく良さそうという理由だけでAIエンジニアになることはおすすめしません。
個人的におすすめなSEのキャリアプランとしては下記のような感じですね。
ポイント
- プログラミング開発の現場で開発経験を2年くらい積む(言語はJava、PHP、Rubyがおすすめ)
- Pythonの学習をしてAIに携わる現場で働く(2年~3年)
- 上流工程の仕事に携わる
※会社員であるかフリーランスであるかは問わない
いきなりAIエンジニアになるよりは、別の言語でしっかりと仕事をできるようになった方が物事を視野広く俯瞰して見れるようになるので良いです。
SEでまだプログラミングができない方は独学でも良いですし、途中で挙げたテックアカデミーを活用するとオンラインで好きな時間/場所に学習できます。(おすすめコースは下記参照)
2.AIエンジニアになること
既にプログラミング開発の経験がある方、すぐにキャリアチェンジをしたいという方はAIエンジニアを目指しましょう。
最近ではPythonを教えてくれるプログラミングスクールも増えてきました。
ただ、これまでにプログラミング経験がある方は正直独学でもなんとかなるのではと思います。
Pythonの経験者のTwitterでの発信内容を見ているとJavaよりもはるかに簡単でというものをよく見ます。
僕も実際下記の本(スラスラ読める Pythonふりがなプログラミング)を読んだことがあるのですが、Excel VBAしかほぼできない時の僕でもなんとかなりそうという感覚でした。
一つ注意点としては、学習と実践は違うので本だけだと実践が伴わないということ。
そして、Pythonはまだまだ進化を続けているので、本だと古い情報があるかもしれないという懸念があります。
会社でPythonを扱っている部署があるなら良いですが、そうでない場合はPythonに特化した実践的なスキルが学べるAidemyを活用すると良いでしょう。
3か月で48万円という金額がかかってしまいますが、興味ある方は無料で受けられるオンライン相談を受けてみると良いでしょう。
3.上流工程の仕事を一人前にできるようにすること
最後にSEとして生き残るために大事なことは、上流工程の仕事を一人前にできるようにすることです。
上流工程の仕事をしっかりとこなすには次のような力が必要となります。
ポイント
- クライアントと交渉していく力
- チームをマネジメントする力
- 社内で調整する力
わかっている方もいるかと思いますが、現場の仕事を一通り経験して理解しないことには上流工程の仕事はできないと思って良いでしょう。
料理の仕方がわからないのにキッチンを取り仕切る役がつとまらないのと同じことです。
なので、しっかりと現場で実務経験を積んだ上で上流工程の仕事ができるように努めていきましょう。
まとめ
今回はSEの仕事が将来なくなるという問題について解説をしてきました。
最後に書いている通り、しっかりとキャリアを考えて生き残るための選択・行動をしていけば将来生き残ることは可能です。
あらためて大事なことをおさらいすると次の通りです。
ポイント
- 将来のキャリアをしっかりと考えて積み上げていくこと
- Pythonより先にJavaやPHP・Rubyなどでしっかり仕事を回せるようになること
- AIエンジニアとしても活躍できる人材になること
- 上流工程で一人前に仕事を回せるようになること
もし経験をしっかりと積めないような現場で今働いているのであれば即刻転職しましょう。
会社にとっては必要な仕事をしていてもあなたのキャリアで必要ない仕事をしているのであれば、時間の無駄でしかありません。
僕はSEとしては5年分くらい無駄な時間を過ごしたという感覚があります。
全く今に活きていないというわけではないのですが、もし戻れるのであればしっかりキャリアを考えて開発経験をもっと積める仕事をしてきました。
現状なんとなくAIにとって代わる仕事をしているのであれば今すぐ行動を変えていきましょう!